1982年のイギリスとインドの合作で、第55回アカデミー作品賞に輝いた映画「ガンジー」は3時間を超える超大作でした。
南アフリカの歩道でガンジーに絡むチンピラのチョイ役のワンカットにダニエル・デイ=ルイスが出演していました。主役は、ペネロペとの歳の差恋愛で絡み合いを演じていた、ベン・キングスレーです。
キャンディス・バーゲンという懐かしい女優さんもカメラマン役で出演していました。
インドの独立に向けて、植民地統治の英国の高官に非暴力をスローガンとして立ち上がります。弁護士として働いていた南アフリカでのインド人に対する差別撤廃をマスコミなどの力を借りて成功に導いたガンジーは、祖国インドでも民族蜂起の期待の星として英雄視され、何百万もの、何千万ものインドの民に大きな影響力をもつことになります。逮捕、解放を繰り返すたびにガンジーのインド人代表としての力が高められ植民地統括の役人がうかつに逮捕、監禁ができなくなり、植民地でのインド人の待遇改善に向けて、イギリス本国の圧力までかかり、少しづつインド人の自治権の波が広がり、高まっていくシーンが圧巻でした。
しかし同じインド人でも、ヒンズー教徒と回教徒の対立の溝は深く、結局は、その対立解消の努力の中で、熱狂的なヒンズー教徒の凶弾に斃れてしまいます。
ヒンズー教とのインドと東西のパキスタンという形での独立とその内乱のような対立は今日まで続いています。独立後のインドで初の首相となったネールの活躍もよく描かれていました。
信念の人、ガンジーを描いた映画で、観終わった後、しばらく悠久に流れるガンジス河の映像と共に深い感慨を得ることができました。
第一次世界大戦、第二次世界大戦をまたぐ、1915年~1948年の時代を生きたガンジーの半生が生々しく描かれていました。