今年の秋の臨時国会で改正予定の会社法で、社外取締役選任義務は見送られたが、独立社外取締役選任企業は東証1部上場企業1,712社中751社(43.9%)に上昇中。2010年では31%であった。
ISSという議決権行使助言会社の2013年度の日本向け助言基準に、総会後の取締役会に独立性基準を満たす社外取締役が二名未満の場合の、経営トップである取締役の選任には原則として反対推奨が表記された。
2012年に6年ぶりにキャノン社長に90%台の支持で社長に復帰した御手洗会長の支持が70%台にまで低迷した一因にこのISSの議決権行使助言があると言われている。
キャノンは伝統的に社外取締役を選任しない方針を貫いており、ISSの取締選任反対推奨理由の、1)社外取締役が一人もいない、2)独立社外取締役がいないという2つの項目に該当するため、経営トップ取締役御手洗氏の選任賛成支持率を下げたという観測が出ている。
会社法下の事業報告や金商法下の有価証券報告書のコーポレート・ガバナンスの状況報告にも、社外役員に関するより詳細な情報開示が求めらる圧力等も重なって、独立社外取締役を選任する企業はますます増えそうだ。
考え方の基本に、「独自の企業文化や企業風土からの影響を受けやすい社内取締役によって構成される取締役会に、より第三者的な視点をもった社外取締役を取り込むことによって、取締役会の監督機能を高め、より牽制機能の高い企業統治を目指す。」ということがある。