日比谷のシネマズシャンテで「カルテット 人生のオペラハウス」を観ました。
かって舞台を共にした4人のオペラ歌手たちが老人ホーム(ビーチャム・ハウス、イギリスの作曲家故サー・トーマス・ビーチャムにちなんでいる)で再び出会い、ヴェルディの名作「リゴレット」の四重奏を、ガラコンサートで披露するまでの人間模様を綴っています。
音楽家としてのエゴやプライド、老いた人間としての恐れや覚悟、いらだちや悲しみ等、様々な葛藤をくぐり抜けた末に四重奏が始まります。音楽を通じて自分を取り戻すかのように。
この「ビーチャム・ハウス」はイギリスの田園風景のなかにある貴族の別宅のような音楽家のための老人ホームという設定ですが、実はモデルがあります。「椿姫」「アイーダ」などの人気オペラを作曲したイタリア・オペラの巨匠、ジュゼッペ・ヴェルディが、私財を投じてミラノに建てた「音楽家のための憩いの家」という老人ホームです。今でも、50余人の老音楽家が余生を送っているそうです。
初メガホンのダスティン・ホフマンがハリーポッターシリーズでお馴染みのマギースミス(マクゴナガル教授役)やマイケル・ガンボン(ダンブルドア校長役)等、名優のうまさを引き出しました。
さらに、名音楽家たちもヴェルディのオペラをはじめとする名曲の数々を披露しています。
名曲に乗せて贈る人生賛歌をスクリーンに見事に展開してくれました。 エンドロールにも楽しい仕掛けがあります。オペラ好き、音楽好きな人には必見の映画でしょう。