駒大の連覇となりました。東洋大が狙い通りのレース展開で全日本初制覇まであと一歩というところまでもっていきましたが、最後の最後で駒大アンカーの窪田忍(写真)に1分の貯金をひっくり返されてしまいました。
去年は東洋大4年の柏原竜二が当時2年だった駒大窪田忍とのアンカー勝負で1分40秒差を猛追しましたが33秒差で窪田に逃げられてしまいました。
今年は1分7秒差の2着でタスキを受けたで窪田が最終8区でトップを走る東洋大の新人服部勇馬を中間点を過ぎた11km付近で捕え、逆に20秒差をつけて優勝のゴールテープを切りました。
最近4年で箱根優勝3回の東洋大ですが、創立以来全日本には一度も優勝できていません。過去4年4位、2位、3位、2位でしたので今年こそはと悲願の優勝を狙っていたと思います。
アンカー区間では駒大窪田は区間2位の走りでした。区間賞は日大ベンジャミンで、シード入りの6位と3分近いタイム差でタスキをもらった9位から3人抜いて見事に日大のシード権獲得に貢献しました。
終わってみれば1位駒大、2位東洋大、3位早稲田の三強の争いでした。以下、4位日体大、5位明治、6位日大までがシード入りを果たしました。
1区を制したのは東洋大の田口雅也2年生(1年生で2012年の箱根4区の区間賞男)
2区では早稲田の大迫傑が12位でタスキを受け区間新の走りで8人抜きをしました。 ただ区間記録は2番でした。同じく区間新の走りで山梨学院のオムワンバが大迫に9秒差で区間賞でした。3区ですぐ東洋大、駒沢、早稲田に抜かれてしまいますが、2区でトップにたったのは山梨学院でした。東洋大エースの設楽啓太が区間3位の走りでしたが駒大村山謙太もがんばったので東洋大が駒大へのリードを大きく広げることはできませんでした。
3区は駒大の由布郁人が自身が1年生の時に出した区間記録を塗り替える走りをみせましたがトップを走る東洋大を捕えることはできませんでした。由布は3年連続でこの3区の区間賞を達成しました。
4区は日体大の服部翔太が区間賞、区間2位の走りは早稲田のセカンドエース山本修平でした。山本は箱根の山の5区のスペシャリストとして期待されています。4区を終わっての順位は東洋大、駒大、早稲田、日体大でした。
6区では東洋大の市川孝徳(箱根の山下りのスペシャリスト)4年が区間新の走りでトップを守り駒大との時間差を広げました。区間賞は同じく区間新で走った早稲田の前田悠貴が3秒差で勝ち取りました。
駒大で区間賞の走りをしたのは3区の由布だけでしたが、1区と2区で4位の他はどの区間も3位以上の走りでした。ダブルエース設楽兄弟を2区と4区に排して時間差を稼ごうという東洋大に駒大の各ランナーが粘りの走りで食らいつきました。7区間一度もトップに立つことはありませんでしたが、4位から3位、2位に順位を上げ、最後の8区でトップに立って優勝のゴールを切りました。東洋大はアンカーに渡すまで1分半の貯金があれば逃げ切って全日本初制覇となったのでしょうが、1分の差しか稼げませんでした。アンカーにエース窪田を配置できた駒大の駒の厚さにやられてしまいました。
去年は逃げる駒大を追う東洋が老いつけず、今年は作戦を先行逃げ切りに変えた東洋が逃げ切れず駒大エースの窪田に仕留められてしまいました。アンカー時点での時間の貯金が去年の駒大は1分40秒、今年の東洋は1分7秒。去年の柏原が詰めた時間が1分6秒、今年の窪田が追い付いて差を広げた時間が1分27秒でした。 設楽兄弟を前半に配して1分半の貯金を作れなかった東洋大の負けとはいえ、最後の最後まで故障者もなくがっぷり四つのガチンコ勝負を見せてもらいました。この2強+早稲田の箱根での戦いも楽しみです。日体大、明治も強そうですし、伏兵出雲の覇者青学も交えて面白い戦いがみられそうです。
駒大は全日本大学駅伝との相性がよくこれで10度めの優勝となりました。今回が第44回ですからすごい勝率です。ちなみにトップは日体大の11回、早稲田は5回です。