3月後半に映画封切り予定の原作を読みました。
英国のヘーシャルムという地名の収容所か寮を舞台にそこで暮らす若者の生活風景がたんたんと描かれていきます。トミー、ルース、キャシーの男女3人の若者を中心に、彼らの楽しい会話、競争心、嫉妬、喧嘩、仲直り、セックス等が丁寧に描写されていきます。
でも、薄皮をはぐように物語の本質が徐々にその正体を表してくる展開は新種のミステリーを読んでいる用でもあります。深く読むと所詮は死にいく同じ定めの中では、彼らと私達の間には何の違いもないということを時間せざるを得ません。
恐ろしくも、悲しくもある物語ですが、悩みながら生き成長していく若者の姿の美しさが、美しい文調と相まって印象が深く残りました。今後の活躍を期待される映画俳優キャリー・マリガン(キャシー)、キーラ・ナイトレイ(ルース)、アンドリュー・ガーフィルド(トミー)がどのようにこの物語を表現してくれるのか楽しみです。