青春小説が大好きな北上次郎氏のお薦め小説です。まさに「ピストの妖精」現るという感じです。
ひきこもりから立ち直るためにママチャリでサイクリングを始め、自転車の楽しさに目覚めていく女子高校生、早坂凛。
彼女は元バレーボール部で、天性のばねを持っています。それともうひとつ。水平に見ている光景を垂直上方から鳥のように俯瞰的に見ることができるのです。ちょっとした間隙を縫って競争するケイリンにとってこれこそが天性の素質だったかもしれません。
自転車のパンクがきっかけで、偶然知り合った恐竜とあだなされる元プロ競輪選手で瀧口という名のおじさんと偶然出会います。彼の強い影響で、彼女がケイリン選手として目覚め、成長していく物語です。
ボス瀧口は、あしたのジョーでいうところの丹下段平といったところでしょうか?
そして5年後、世界選手権女子ケイリン決勝のトラックに彼女の姿がありました。この物語はその決勝の場面から始まって、ままちゃり時代へトラックバックしていきます。
読むと乗りたくなりますよチャリンコに。