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黒澤明DVD第二弾「七人の侍」_ 農民と7人の侍の共闘の戦略、戦術で野武士軍団を退治!

f0090954_07460020.jpg「七人の侍」は、世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤監督の代表作で、1954年に公開された日本映画です。主演は三船敏郎と志村喬が務め、「ヴェネツィア国際映画祭」銀獅子賞などを受賞しました。その『七人の侍』の舞台を西部開拓時代のメキシコに移してハリウッドリメイクされたのが「荒野の七人」です。「七人の侍」が5分間の休憩を挟む207分の大作なのに比べ「荒野の七人」は128分です。

当時の通常作品の7倍ほどに匹敵する莫大な製作費をかけ、何千人ものスタッフ・キャストを動員し、1年余りもの撮影期間をかけましたが、700万人の観客動員を記録し、興行的には成功しました。

日本の戦国時代(1586年です。火縄銃が登場していました。)を舞台とし、野武士の略奪により困窮した百姓に雇われる形で集った7人の侍が、身分差による軋轢等を乗り越えながら協力して野武士の一団と戦う物語です。
黒澤明が初めてマルチカム方式(複数のカメラで同時に撮影する方式)を採用し、望遠レンズを多用した事でも有名です。ダイナミックな編集を駆使して、豪雨の決戦シーン等迫力あるアクションシーンを生み出しています。豪雨のシーンは8月頃撮りはじめ、それが2月まで繰り延べられたためまかれた水がミゾレ混じりとなり三船敏郎が撮影終了後倒れたという逸話まであります。綿密な時代考証等だけでなくとことんリアリズムを求めた黒澤明監督ならではのエピソードですね。
黒澤明が尊敬するジョン・フォードの西部劇から影響を濃く受けた「七人の侍」ではありますが、この作品自体も世界の映画人・映画作品に多大な影響を与えました。1960年にはアメリカ合衆国でユル・ブリンナー主役の「荒野の七人」他、「続・荒野の七人」「新・荒野の七人 馬上の決闘」「荒野の七人・真昼の決闘」、2016年には「マグニフィセント・セブン」としてリメイクされています。

映画の前半部では主に侍集めと戦の準備が、インターミッションを挟んだ後半部では野武士との本格的な決戦が描かれていますが、「侍集め」、「戦闘の準備(侍と百姓の交流)」、「野武士との戦い」が時間的にほぼ均等で、構成的には3部形式いう見方もできるようです。

三船敏郎演じる菊千代が結構コミカルで面白い役を演じています。武士になりたい百姓というか孤児という設定です。不思議と子供がなつきます。「荒野の七人」でチャールズ・ブロンソンが演じるキャラクターに近いです。ただスカウトされたとき薪割りをしていたエピソードは、千明実が演じた平八ですね。

たまたま、「七人の侍」と「荒野の七人」を見比べる機会がありましたが、圧倒的に「七人の侍」の重厚感、構成の面白さ、侍と百姓の人間関係等に軍配を上げました。

「七人の侍」では寡兵の七人が村の地形を調べ尽くし、要所要所に罠を仕掛け、野盗をおびきよせたりの百姓たちもしっかり役割を持たされた軍団の戦略・戦術の面白さをみせていた一方で、「荒野の七人」はユル・ブリンナー演じるクリス等の早打ちといった個人の持つ個の力に頼っていた点が単調に見えたせいだろうと思っています。


# by zoompac | 2018-02-20 07:46 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

子猫から大虎へ脱皮の小平奈緒、圧巻の平地世界記録36秒台での平昌五輪優勝!

f0090954_08343933.jpg去年の11月1日の時点で、米国のスポーツ関連統計企業・グレイスノートが予想した女子スピードスケート500mの金メダリストは韓国の五輪2連覇中のイ・サンファでした。

その後、11月18日のワールドカップ・スタバンゲルツで小平奈緒は平地世界記録となる37秒07で優勝、さらに12月1日~3日のカルガリー大会で小平が世界歴代2位となる36秒53の記録で2位となったイ・サンファ(李相花)に0秒33の大差をあけて圧勝しました。(ちなみに高地での世界記録はイ・サンファが2013年にユタで記録した36秒36です。

それらの新データを取り込んだグレースノートは大会前の五輪金メダル最有力候補はしっかり小平奈緒であるとの予想に変更していました。 何しろ今季500mでのワールドカップを15連勝(国内外24連勝)中でしたから。

そしてその記録は嘘を言いませんでした。

31歳の小平奈緒は平昌五輪の大舞台で、平地リンクで初の36秒台となる、36秒94で自身の持つ平地世界記録を0秒13更新しての見事な優勝で、イ・サンファ(28歳)の五輪3連覇を阻みました。(スタート時にぴくっと反応したのでフライングを取られるかと思いましたが、それでも反応良いスタートでホットしました。)

1998年の長野五輪の岡崎朋美の38秒55の銅メダルが今は昔って感じになりましたね。 あのとき男子で清水宏保が金でしたが、この小平はそれ以来の日本人選手500mでの金メダリストになりました。

岡崎朋美は成績はかんばしくありませんでしたが2010年のバンクーバー五輪にも代表参加しています。 38歳でした。日本女子で最年長、最多の5大会連続出場を果たしました。 その後出産し、2014年のソチ五輪の代表選考会で代表もれになったところで現役を引退しました。

現在31歳の小平奈緒も次は北京五輪で連覇、そして岡崎朋美の冬季五輪最年長、最多記録更新を目指して欲しいです。


# by zoompac | 2018-02-19 08:34 | スポーツ | Comments(0)

羽生結弦_魂の演技で五輪連覇!

f0090954_11203103.jpg「私たちは勝ち目の薄いものが勝つのを見るのが好きだ」とは、サピエンス全史の上巻235ページに書かれている表現です。

誇り高いギリシアの都市国家を征服しカルタゴを焦土に変え、紀元前2世紀半の地中海沿岸の蓮後なったローマがイベリア半島のケルト族のヌマンティアという山の町を攻めあぐねたエピソードの中にその表現がありました。結局、ヌマンティアでの攻防戦は町の破滅で幕を閉じます。 ヌマンティア人の闘志と戦闘技能に恐れをなしたスピキオ(アエミリアヌス)軍は包囲して食糧供給路を断ったのですが、ヌマンティア人は降参することを潔しとせず、自ら町に火を放って死を選んだのです。こうしてヌマンティアはスペインの独立と勇敢さの象徴となりスペイン愛国者たちの巡礼地となったそうです。

前置きが長くなりました。

私は近所の美容院でカットしている最中に羽生結弦の優勝を知りました。 宇野昌磨も銀メダルという快挙に、鳥肌が立ってしまいました。

約4か月ぶりの試合、練習開始も2週間前からという状況の中で羽生結弦の五輪二連覇は私たちの誰もが望みながらも誰もがその達成の可能性の低さを覚悟していたと思います。

その勝ち目の薄かった羽生結弦とSP3位につけた宇野昌磨の前にSP2位のフェルナンデスの影が大きな壁のようにそびえていました。SP1位ではありましたが、フリーではフェルナンデスが圧倒的に有利だったように思えて仕方ありませんでした。 達成実現が困難だと思われた、羽生優勝、宇野準優勝の希望を通り越して奇跡ののワンツー・フィニッシュが実現しました。 フィギュアスケート界の頂点に日本人というかアジア人2人が立ちました。

特に羽生は66年ぶり2連覇の快挙でした。

羽生は本番までの短い準備期間で、よくない右足の状態と勝ちたいという意志の折り合いをつけ勝つためになすべきことを絞り込みました。

全ては初日のショート・プログラム(SP)だったと思います。

彼がこれまで何度も何度も跳んできて自家薬籠中のモノとしてきた4回転サルコーと4回転トーループに賭けました。

SPでトップに立ったことで、技術点では高得点が望めないものの、自信をもって跳べる演技の質の高さを評価してもらえることを確信しました。

フリーで、彼の選んだ構成は右足1本で跳ぶループを捨てたものでした。 サルコー2本とトーループ2本でまとめました。 ループを組み込んでいる宇野昌磨に比べて技術基礎点だけで10点以上下回る構成内容だったのです。 初日のSP1位のトップということから生まれた余裕が可能にした選択でした。

練習不足から体力に不安の残るフリーで、その構成は金メダルに向けた薄氷ながら最高の結果をもたらせてくれました。 そして私たちは「勝ち目の薄いものが勝つ、奇跡の勝利」を目撃させてもらいました。

私には、羽生結弦の金メダルが、1992年のバルセロナ五輪、直前の練習試合で左膝を負傷する絶望的なハンディを乗り越えた柔道71㎏級の古賀俊彦の不屈の金メダルに重なって見えました。 当時の古賀選手は25歳、次の1996年のアトランタ五輪も銀メダルでした。

フランスのAFP通信は羽生の優雅な演技を讃え「氷上のプリンス」との称号を彼に与えていました。

五輪のフィギュア2連覇は米国ディック・バトンの48年@サンモリッツ、52年@オスロの2連覇以来の快挙です。バトン氏は健在で羽生の快挙を讃える言葉をツィートしていたようです。2連覇の選手はこれまで4人、そのうちの1人であるスェーデンのグラフス・とロム氏は20年@アントワープ、24年@シャモニー、28年@サンモリッツで3連覇を達成しています。羽生選手も次の2022年の北京大会で今度は94年ぶりの快挙を達成して欲しいです。

4年後を目指し、今は目先の世界大会を休んでじっくり怪我の回復に専念してもらいたいです。


# by zoompac | 2018-02-18 11:25 | スポーツ | Comments(0)

映画「デトロイト」_何故アカデミー賞ノミネートに嫌われたのか疑問が残る作品!

f0090954_08221889.jpg「ハート・ロッカー」(08)で女性初のアカデミー賞を獲得したキャサリン・ビグローの作品です。キャサリン・ビグローといえばジェームス・キャメロンの元妻とか作家の樋口毅宏からアメリカの由美かおる(不老美女)とか呼ばれていましたが、オスカー受賞後のオサマ・ビンラディン暗殺を指揮したCIA女性分析官の活躍を描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」(12)も刮目に値しすっかりメジャーネームになったように思います。

そして待望のこの「デトロイト」です。1967年のデトロイト暴動から50年に当たる2017年に撮影されました。オスカー受賞の女性監督作品としてアカデミー賞の呼び声が高いのかと思いきや、2017年の12月のアカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデングローブ賞でどの部門でもまったくノミネートされなかったのです。そして今年の1月24日のアカデミー賞ノミネートでも全くの空振りでした。

パンフレットに踊る「アカデミー最有力候補」の字が空しくも目立っていますね。

逆に、何故アカデミー賞からそっぽを向かれているのだろうということが気になって映画館(TOHOシネマズシャンテ・・・TOHOシネマズ日比谷が3月29日頃のオープンで閉館かと思っていましたが、閉館は有楽町マリオンのTOHOシネマズ日劇ですね。すでに2月に閉館となっていました。TOHOシネマズスカラ座とスバル座は休館になる予定だそうです。TOHOシネマズシャンテはまだしばらく継続するって言っていましたが、日比谷ミッドタウンの中のTOHOシネマズ日比谷がオープンするとその存在感は微妙ですね。ただ、これまでも他のTOHOシネマズで公開しないような作品の差別化はしてきていましたので断言はできません。)に足を運びました。

冒頭、アメリカの黒人の歴史のダイジェストがアニメで語られます。そしてデトロイトの暴動に話が移行します。

暴動の全容が語られるのではなく、ここでは群像劇が展開され、暴動そのものはこのドラマのマクラ(前口上、状況説明)のような描かれ方でした。刑事、ミュージシャン、ベトナム帰還兵、フォード工場の労働者等が点描されます。そこから点描されていたこのドラマのメインキャラクターたちがこの映画のメインの舞台であるアルジェ・モーテルに集うのです。

ここからは密室劇(登場人物は、白人警官3人、州兵1人、黒人警備員1人(ジョン・ボイエガ)、モーテルの泊り客である若者8人です。白人女性2人、その遊び仲間の黒人3人、黒人シンガーのタマゴ仲間2人、ベトナムからの帰還兵の黒人1人)へと移行するのです。

そのアルジェ・モーテル事件の背景にあったデトロイト暴動からドキュメンタリータッチで回されたカメラワークはその異様な緊張感を暴動シーンから密室での捜査目的の警官の拷問シーンでさらに高めていきます。

密室の外での暴動シーンでは傍観者でいられた映画観客もその密室内での目を覆う警官暴力には傍観者ではすまされないような緊張感を強いられるのです。

この映画は142分の映画ですが、この密室劇は観客をその実際の暴力現場に誘い込む意図があったのでしょう。拷問シーンはたっぷり40分余り続きます。

暴動で緊張したモーテルの窓の外に向かって、競技のスターターのピストルを1人の黒人の若者が発砲(空砲なのですが)したことから、モーテルは軍と警察に取り囲まれます。 デトロイト市警の白人警官クラウス(ウィル・ポールスター)は出会いがしらに現れた黒人を射殺し、残った宿泊者7人(白人女性2人を含む)に発砲した武器の在処と誰が発砲したのかという自白を強要していくのです。その暴力の凄まじいこと。 脅しのつもりから暴力をエスカレートさせてこの警官たちは結局黒人の若者3人を射殺してしまいました。

この暴力警官を演じる英国男優のウィル・ポールターの演技がいいですね。童顔ですが、自分は正しいことをおこなっているんだという自信が揺らがないところが逆に怖いです。アカデミー賞にノミネートされていたら私なら主演男優賞に一押しの演技でした。

構成からしますと、アニメの黒人の歴史紹介、そして一幕目はデトロイトの暴動事件、二幕目はその暴動には一切かかわりのないモーテルに宿泊していた8人の若者がデトロイト市警の3人の警官にリンチで告白を強要される事件、そして最後は事件後の裁判で白人警官3人が無実の判決を勝ち取る後日談ということになっていました。

拷問を受けたモーテル宿泊の8人のうち3人が丸腰であるにもかかわらず射殺されたこのアルジェ・モーテル事件で生き残った5人の中から白人の女性美容師、当時の警備員、そしてグループのヴォーカリストの3人がこの映画撮影のアドバイザーとして参加しました。

この映画は歴史の闇に葬られかけていた事件に光をあてています。1992年のロス暴動に発展したスピード違反の黒人射殺事件、そして2016年も警官に殺された黒人は300人を下らない中、警官が裁判で有罪になったのはわずか1%という現状です。50年経った今でも厳しい問題にアメリカは直面しています。

何故この作品がアカデミー賞ノミネートから無視されたのかは結局わかりませんでした。 十分にキャサリン・ビグローらしい緊張感あふれるカメラワークでメッセージ性の高い作品だったと思います。 黒人差別問題の闇の深さも知ることができました。


# by zoompac | 2018-02-17 08:23 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「天人 深代淳郎と新聞記者の時代」_早逝の天才コラムニストの人となりに迫った本

f0090954_08184507.jpg今から40年近い昔になりますが、大学卒業後は新聞記者になりたくて募集枠が各新聞社1~2名という狭き編集部の入社試験を片っ端から受けていたことがありました。

大手も主だった地方新聞の試験も全滅で、体育系の部活経験者ということを買われたのかあるスポーツ新聞社だけ試験に受かりました。

面接に伺ったところ、労働争議の真っ最中でした。それにその新聞社では入社後編集の仕事に就けるのか販売の仕事に回されるのか曖昧でした。

丁度そのタイミングで米系商業銀行からの募集が大学の就職課に回ってきていました。2名の募集でした。顔見知りになっていた大学就職課の職員さんから勧められてその入社試験も受けました。英語と作文は新聞社の試験と同様でした。受かりました。

当時大卒の初任給が10万円を超えない水準でしたが、その外資系銀行の初任給は10万円近くでスポーツ新聞社と比べて3万円近くの開きがありました。

いろいろと家庭の事情もあり、初任給の高さから外資系銀行を就職先に選びました。 その後、2回転職しましたが、通算で35年間外資系金融機関で働くことになりました。

ブログで柔道とか駅伝とかのスポーツ記事を書くときはつい熱が入ってしまうのも昔の夢の続きのようなものかもしれません。

朝日新聞の「天声人語」についてはいろいろ思い出があります。

中学校の頃同級生が父親の勧めで「天声人語」の切り抜きをし、その要約を書きだしていたノートを見たとき、「すごいな」と思ったこと。 米系銀行に入社してから、英語の達人と言われた年配の先輩に秘訣を聴いたところ、「天声人語」を英訳されていたこと等です。

感心しながらも、私は要約修行も英訳修行も長続きしませんでした。

英訳修行のほうは、NHK国際ラジオニュースの記事を書いていらっしゃった方に師事し、放送ニュースの英作文を毎週1本のペースで5年近く書き続ける形に落ち着きました。会社での英文報告書を書くにあたってその修行は役立ちました。

ただニュースという人に伝える報告のための文と違って「天声人語」というと、融通無碍でとらえどころがなく何となく敷居が高い感じは否めません。 たぶん「天声人語」で使われる言葉の表現に遊びが入っているため解釈に余韻や幅があり適確な英語表現に置き換えることに相当悩まされるわけで、そのあたりが私の英語の学習修行には向かなかったのだろうと思います。

十分絞り込まれた言葉で筆者の思いを紡ぎあげる「天声人語」は煮詰まった言葉の結晶のようでもあるのでその意味から要約修行にも不向きだったかもしれません。

その放送英語の作文修行に落ち着くまでに、「天声人語」の原文と英訳の対訳本を買ってむなしい努力を重ねた回数は数知れません。深代惇郎の「天声人語」の単行本も買ったことがあります。しかし読み通さなかったし「天声人語」を題材とした英語修業は長続きしませんでした。 大手新聞社の入社試験不合格経験と合わさってこの「天声人語」も苦い思いだけが残っているのです。

そうした「天声人語」を執筆された朝日新聞社のコラムニストの中でも、異彩を放っている深代惇郎氏について書かれた本がこの「天人」です。

どのような人となりなのか興味があって手に取りました。

深代淳郎氏は急性骨髄性白血病のため46歳で急逝しました。「天声人語」を書いていたのは わずか2年9か月という短い期間です。深代氏は府立三中(両国高校の前身)・一高・東大法学部を経て昭和28年に朝日新聞に入社し、ロンドン支局から東京へ戻り、天声人語を担当したのは入社19年目で43歳の時でした。

著者の後藤正治氏は、深代氏と交流のあった人々からのインタビューを通じてこの「天人」を書きあげました。

後藤氏は深代氏のことを「競馬で言えば、深代は何十年に一度出るか出ないかの名馬である。資質からいっても、知識や教養の面でも、また人間性においても、彼は飛び抜けていた。」と言っています。

私の人生の経験からもそのような人はいますのでなんとなく重ね合わせてイメージしながらこの著作を読みました。 少し良く書かれ過ぎの感は否定できませんが、深代氏の最初の結婚の失敗のこともきちんと書き込んでありました。

後藤氏は、「新聞のコラムニストは一般にいうエッセイストとは性格が異なる。森羅万象、日々生起するホットなニュース、社会的な課題をまな板に載せて論評することを課せられている。あくまでもジャーナリストの筆によるエッセイである。時がたてば使われた素材は古びていくのは当然であるが、深代惇郎の「天声人語」はいま読み返してもなお、立ち止まらせるものを含んでいる。」と賞賛しています。

後藤氏は、さらに、「(深代淳郎の)文章は滑らかにして自在である。難しいことをわかりやすく伝えていく。曖昧さがない。書き出しから一気に話題が転換することがしばしばあって、結語はまず予測できない。構成に定まったものがない。古今東西の、政治、社会、文化、歴史・・・・への造詣と見識の深さはおのずと伝わってくるが、あくまで自分の頭でモノを考え、言葉を紡ぎ出している。文体は抑制が利いていてウィットに富んでいる。」とベタ褒めでした。

今まで、2~3回買って、本棚に長いこと寝かせ、そのうち古本屋へ売ることを繰り返していたような記憶しかない、深代惇郎版「天声人語」でしたが、この「天人」を読んだことで彼の「天声人語」との距離が縮まったように思います。

この「天人」の中にもたくさんの深代淳郎氏の天声人語コラムが引用されていましたが、確かに立ち止まらせるというか考えさせられる名文が多くありました。

今度こそは「深代淳郎の天声人語」を読み通してみようと思いました。


# by zoompac | 2018-02-16 08:31 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

柔道グランドスラム・パリの男子の結果_81kg級の藤原崇太郎(日体大)、90kg級の向翔一郎(日大)、100kg超級の影浦心(東海大)の大学生3人が頂点に!

f0090954_06010632.jpg2週間後のデュッセルドルフ大会がグランドスラムに昇格したことで参加人員が割れたためでしょうか、女子に比べると男子では主役の欠けた感が強い組合せが目立ち盛り上がりに欠けたことです。

それでも大学生3人が頑張ってくれました。(写真は、100㎏級を制した景浦心)

81kg級の藤原崇太郎(日本体育大1年)、90kg級の向翔一郎(日本大4年)、100kg超級の影浦心(東海大4年)と大学生3人が躍動し3階級を制しました。藤原と向はこれがワールドツアー初、影浦は昨年2月の今年からグランドスラムに昇格するグランプリ・デュッセルドルフに続く2度目の優勝となりました。

男子60㎏級は、優勝候補筆頭との呼び声が高かった志々目徹(了徳寺学園)が順当に決勝に進み第2シードのシャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)を退けました。志々目は2016年以来2年ぶり2度目のグランドスラム・パリ制覇を達成しました。

男子は上記4階級で4個の金メダルでした。

66kg級は丸山城志郎(ミキハウス)が決勝まで進みましたが、アン・バウル(韓国)を相手に破れ、2位に終わりました。

73㎏級の立川新は初戦敗退に終わりました。

活躍が期待された100kg超級のグランドスラム東京王者・小川雄勢(明治大3年)は2回戦で同大会決勝を争ったルカシュ・クルパレク(チェコ)と対戦、GS延長戦の末「指導3」の反則で屈し、相手のリベンジを許してしまいました。クルパレクは3位入賞でした。

大会2連覇が期待された100kg級の飯田健太郎(国士舘大1年)は2回戦でペテル・パルチク(イスラエル)に敗退しました。


# by zoompac | 2018-02-15 06:01 | スポーツ | Comments(0)

柔道グランドスラム・パリの女子で結果を出したのは52㎏級の阿倍詩のみ!

f0090954_05435229.jpg2月10日、11日に行われる柔道グランドスラム・パリで私が注目していた階級は、48㎏の渡名喜風南(帝京大4年)、52㎏の阿部詩(夙川学院高)と世界柔道選手権銀メダリストの角田夏実(了徳寺学園職)、それに昨年12月のワールドマスターズの準決勝で現世界王者のクラリス・アグベニュー(フランス)に勝って優勝した63㎏の田代未来でした。

女子52㎏級で、阿部詩が期待通りの優勝を果たしてくれました。 決勝まで全試合1本勝ち、決勝も地元のアモンディーヌ・ブシャー(フランス)を一方的に攻め続けて3つの「指導」を奪う快勝でした。 圧倒的な強さで12月の東京大会に続くグランドスラム2連勝を飾りました。(写真、左がプシャー、その右隣りが優勝した阿倍詩)

一方、この大会で成績を残して存在感を示したかった角田夏実は、準決勝でブシャーに負けて、阿部との決勝対決という舞台にまで上がれませんでした。3位決定戦でも破れ5位に終わりました。

女子48㎏級の渡名喜も3位決定戦で敗れて5位でした。

準決勝でヨーロッパチャンピオンであるウクライナのダリア・ビロディド(彼女は決勝でも韓国のカン・ユジュンを寝技で破ってこの大会のこの階級の優勝者となりました)に大内刈で敗れると、3位決定戦でもムンフバット相手に指導2でリードしながら、唇を切って何度も治療に当たったことにより反則負けを与えられて5位にとどまりました。

ライバルの近藤亜美(三井住友海上)が右膝の負傷により欠場したため、この大会の優勝候補筆頭との呼び声が高かった渡名喜にとっては残念な結果に終わってしまいました。しかしながら、大会後の世界ランキングではこの階級の日本選手として福見友子以来5年半ぶりに1位となっています。

女子63㎏級では、ブダペスト世界選手権チャンピオンのクラリス・アグベニュー(フランス)、リオデジャネイロ五輪金メダリストのティナ・トルステニャク(スロベニア)、そして、12月のワールドマスターズ王者の田代未来(コマツ)の三つ巴の優勝争いが期待されていました。 この階級のトップ選手3名がこの大会で揃い踏みとなったのです。

田代未来が準決勝でティナ・トルステニャクを技あり大内刈りから寝技への1本勝ちで破ると、2017年度の世界王者クラリス・アグベニュー(フランス)との決勝という大舞台での頂点対決が実現しました。

12月のワールドマスターズでは田代が日本勢に6年間負けなしで田代自身も過去6戦全敗のアグベニューを「一本」で下す歴史的大金星勝利を挙げたばかりでしたが、この日はホームの応援を力に変えたアグベニューが田代を圧倒しました。外巻込で「技有」を得ると、最後は真っ向からの大外刈で田代を「一本」で粉砕し、グランドスラム・パリ5度目の優勝を決めました。 優勝はできませんでしたが、田代の銀メダルは評価できると思います。

57kg級は芳田司(コマツ)が全試合一本勝ちの素晴らしい出来で決勝まで進みましたが、カナダから出場した出口クリスタ(山梨学院大4年)に破れました。

その他、日本は70kg級に現役世界王者の新井千鶴(三井住友海上)、78kg級にもっかワールドツアー2連勝中の濱田尚里(自衛隊体育学校)と昨年度の世界選手権銀メダリスト梅木真美(ALSOK)、78kg超級には2017年の選抜体重別王者の素根輝(南筑高3年)といずれも優勝を狙える人材を送り込みましたが、当てが外れました。新井の2位が最高成績で、濱田と素根が3位、梅木は5位に終わりました。


# by zoompac | 2018-02-14 05:46 | スポーツ | Comments(0)

映画「祈りの幕が下りる時」_「新参者」の完結編

f0090954_06245360.jpg阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編です。 好きなシリーズでしたのでちょっとしたロス気分です。

東野の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」第10作の映画化で、2010年に放送された連続ドラマ「新参者」、2本のスペシャルドラマ、映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」に続き、阿部寛が主人公の刑事・加賀恭一郎を演じました。

加賀恭一郎シリーズの第七作「赤い指」や映画化された「麒麟の翼」では、死の床にある元警察官であった父親(山崎努)との確執が語られていましたが、この「祈りの幕が下りる時」では、その父親との確執の大きな要因でもあった、家を出た加賀恭一郎の母親(伊藤蘭)の真実と、その後に迫ります。

冒頭、仙台で小料理屋を営む女性(烏丸せつこ)の下に流れ着いて小料理屋経営者の女性の片腕となって働く”わけ有り”の女性の孤独死に至るまでのドラマが描かれます。その”わけ有り”女性が恭一郎の母親だったのです。その死を加賀に連絡してくれた男が何者なのかという謎を解けないまま、加賀恭一郎が日本橋署勤務にこだわり続けた謎もこの完結編で明らかになります。

物語のマクラとなった加賀恭一郎の母親の孤独死の顛末の後、場面が変わって東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の女性の絞殺死体が発見される事件が描かれます。

アパートの住人も姿を消し、住人と殺害された女性との接点は見つからず、滋賀県在住の女性が何故東京で殺されたたかの理由もわからず捜査は難航します。

捜査を進める中で加賀は、殺害された女性が中学の同級生で演出家の浅居博美(松嶋菜々子)をたずねて東京にやってきたことを突き止めましたが……。

演出家の浅居博美役を松嶋菜々子が演じるほか、山崎努、及川光博、溝端淳平、田中麗奈、伊藤蘭、小日向文世らが顔をそろえました。浅井博美の14歳の役を桜田ひより、浅井博美の20歳の役をWOWOWTVドラマ「石つぶて」に出演の飯豊まりえが演じていました。

監督は「半沢直樹」「下町ロケット」「3年B組金八先生」など数多くのヒットドラマを手がけた福澤克雄でした。

葛飾区のアパート殺害事件がその近くの河川敷で起きたホームレスビニールハウス放火殺人事件に結びつき、そこから松本清張の「砂の器」を彷彿させる1つの家族の愛憎劇が立ち上がってきます。

放蕩な母親が膨大な借金をつくって家出したために、借金取りのやくざに追われ、父親と夜逃げして逃避行をせざるをえなかった過去をもつ女性が、その後養護施設生活を経て、今や演劇の脚本家として大成功をおさめていたのです。

その演劇脚本家の彼女は以前加賀恭一郎に接触をしたことがあったのです。加賀は直感からそれが偶然ではなかったと気づきます。殺害現場に残された毎月、橋の名前を書き込んだカレンダーと同じものが加賀の母の遺留品の中にあったことを思い出したとき事件の真相がジグソー・パズルのピースが埋まっていくように明らかになってきます。

その加賀が追い求めてきた失踪した母親の謎に、演劇脚本家の幼馴染が殺された事件の犯人探しが繋がったのです。 このあたりの複層構造の推理ストーリーは見事としか言いようがないですね。 事件を追う加賀恭一郎自身の存在がその事件を解くカギになっていたのです。

ヒネリまくったプロットを大胆にしかも緻密に見せてくれ、しかもアクロバティックな着地もしっかり決めてくれていました。東野圭吾ってやはりすごいなー!

そして、この映画の出来栄えは、原作と勝るとも劣らないいい感じでした。原発作業員の過酷な実態の一端を知ることもできました。加賀恭一郎の母親の失踪の謎も何故彼が日本橋界隈にこだわっていたのかという謎も解けました。人形町の街や日本橋界隈の橋を歩く阿部寛の姿も様になっていました。あ~、やっぱりロス気分!


# by zoompac | 2018-02-13 06:25 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

「ゲーム・オブ・スローンズ」_英国中世史の背景知識があれば何倍も楽しめる奥の深いドラマ!

f0090954_10161531.jpg「ゲーム・オブ・スローンズ」はテレビ界の革命児と呼ばれたアメリカのケーブルテレビのHBOの提供するダーク・ファンタジーのドラマシリーズです。

欧米では大人気ですが日本では今一つ盛り上がりに欠けているような気がします。

登場人物の多さや残虐な殺戮シーンが多いことも日本での不人気の理由の1つだと思いますが、中世英国史に対する知識不足も大きな理由の気がします。

逆にその知識の豊富さが欧米での大人気の原因ではないでしょうか。

この「ゲーム・オブ・スローンズ」の舞台は想像上の国ウエストロスとなっていますが、現代のイングランドの南に逆さまのアイルランドをつなげるとそのウエストロスの地図にそっくりだと言われています。

どうやら時代背景も中世のイングランドがモデルではないかとされているようです。

そういえばアメリカのテレビドラマなのに話される英語が英国訛りですし、大半の役者は英国人俳優のような気がします。

英国史の七王国時代からテューダー期成立頃までの歴史を参考にし、他国の史実を加えたり、伝承話等フィクションも織り交ぜ、カットしたり編集して出来上がった物語ではないでしょうか? そして、欧米人にはこのシーンはいつの時代のどのような出来事が下地となって作られたものかがわかるという楽しみもあるのではないかと思われます。

ということで簡単ですが、英国史の七王国時代からテューダー期成立頃までの歴史をおさらいです。

今、塩野七生の「ローマ人の物語」を読んでいますが、カエサルはライン川の東側をゲルマニアといい、そこに住む人をゲルマン(今のドイツ、ジャーマンです。) そして西側をガリアと呼び、その領域に住む人をケルト人と呼んだそうです。

イギリスの原形は5世紀の半ば、アングロ・サクソン人がイギリスに定住をはじめ、七王国(ヘプターキー)の時代だと言われています。

それ以前は、イギリスは1世紀~5世紀まではローマ帝国の支配下にありブリタニアと呼ばれていました。 紀元43年にローマ帝国に侵略され支配をされたのです。 この頃のイギリス一帯に住んでいたのはケルト民族でウェールズ人の祖先といわれるブリトン人でした。

そして伝承物語で有名なアーサー王伝説ですが、彼はゲルマン人の一派であるアングロ・サクソン人の侵入をローマン・ケルトのブリトン人王達と共に撃退したことで有名です。

そのあたりの史実が日本人にはピンとこないからでしょうか、昨年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの2015年の長編小説「忘れられた巨人」もあまり評判とはなりませんでした。

「忘れられた巨人」は、侵入するサクソン人(アングロ・サクソン人)に対抗したという伝説のアーサー王が亡くなってしばらく経った現在イングランドと呼ぶ地域を時代背景に、ブリトン人の老夫婦が息子を訪ねて旅をする話でした。

いずれにせよ時は経ち、5世紀半ばを過ぎるとアングロ・サクソン人がイギリスに定住をはじめ、七王国(ヘプターキー)の時代を経て、エグバート王が統一国家を形成し、その後ノルマン人の侵入を撃退したアルフレッド大王のときに最盛期を迎えます。このあたりがイングランド王国として今のイギリスの原形を形作った時代です。 その領土は「アングル人の土地」という意味で「イングランド」と呼ばれることとなりました。

この七つの王国が覇を競った時代は、西ローマ帝国ホノリウス帝がブリタニアを放棄してから(409年、End of Roman rule in Britain)、ウェセックスのエグバート王がカレドニアを除くブリテン島を統一するまで(825年、エランダンの戦い)、と考えられています。

実際にアングロ・サクソン人が建国した王国は7つのみではなく、多数の群小のアングロ・サクソン人および先住のブリトン人の小国家群とともに林立していましたが、次第にその中で有力な国家が周囲の小国を併呑して覇権を広げていきます。7つという王国の数は、これらの覇権を広げた有力な国を、後世7つの大国に代表させたものです。

このドラマも、スターク家、ラニスター家、バラシオン家、ターガリエン家、タイレル家等を中心に7~8家(他にマーテル、グレイジョ、タリー家)が登場します。婚姻などでの人物も家同士の関係複層化してきます。このあたりも日本人には苦手なポイントかもしれません。

七王国が覇権を争い統一に向かって収束するちょうどその頃ノルマン人の動きが活発になります。 デーン人というデンマーク系ノルマン人が度々イングランドに侵入しアルフレッド大王はこれを撃退しアングロ・サクソン人のイングランド王国を防衛します。

しかし大王の死後、デーン人の侵入を防ぎきれず1016年に遂にデンマーク王カヌートに征服を許してしまいます。デーン朝の誕生です。デーン朝はデンマーク、ノルウェー、イングランドを領有します。

カヌートの死後、一時期アングロ・サクソン王国が復活しますが、ノルマン人が今度はフランスから侵入してきました。

北フランスに拠点を構えたノルマンディー公国です。 ノルマン人の中で最も強力な国がイングランドに虎視眈々の野心を持っていたのです。

デーン人との抗争で疲弊したイングランドにはドーバー海峡を越えて侵攻してくるノルマンディー公国の軍隊を追い払う力は残っていませんでした。 1066年へースティングの戦いでノルマンディー公ウィリアムがイングランドを征服(ノルマン・コンクエスト)してしまいました。ウィリアムははノルマン朝を創始しウィリアム1世となりイギリス王室の端緒となります。

このあたり「ゲーム・オブ・スローンズ」のナイトウオッチが警戒するホワイトウォーカーを彷彿させます。 さしずめ提携しようとしている野人はケルト人の一派のブリトン人でしょうか。ノルマン朝がゾンビ軍団のホワイトウォーカーだと話にならないのですがあくまで来襲の恐怖のイメージとしては理解できます。

ノルマン朝(1066~1154)以後は、ウィリアムの血統を引くプランタジネット朝と続いていきます。 ノルマン朝の男系が絶え、母方からその血統を継ぐフランス貴族のアンジュー伯アンリ(Henri, comte d’Anjou)が改めてプランタジネット朝(Plantagenet)を築きました。

1154年に成立した王朝がプランタジネット朝でその初代の王様がフランス貴族のアンジュー伯アンリ改め映画「冬のライオン」の主人公ヘンリー2世でした。 ピーター・オトゥールが演じていました。

フランス北部を領有していたノルマン朝と同じくこの王家もフランス西部アンジュー地方支配していました。

ノルマンディー公国はセーヌ川河口から下流を持っていましたが、アンジューはロアール川とその三つの支流が流れる肥沃な河川流域地帯を所有していました。 ですから、「冬のライオン」の舞台はアキテーヌにあるシオン城です。

「冬のライオン」ではイングランド国王ヘンリー2世の王妃エレノア(この映画でアカデミー主演女優賞獲得のキャサリン・ヘップバーン)、二人の間の3人の息子たち(長男リチャード、後のイングランド王リチャード1世:アンソニー・ホプキンス、三男ジョン、後のイングランド王ジョン、フランス国王フィリップ2世と争ってロワール川流域のアンジュー地方を失ったため失地王と呼ばれイギリス憲法の礎となるマグナカルタを貴族から求めさせられます)との後継者争いと愛憎劇を描いています。

ヘンリー2世の妃のエレノアはフランスのワインで有名なボルドー地方を収めるギョーム9世の孫娘でした。それで、ヘンリー2世のプランタジネット朝イングランドは、フランスの南西部のボルドーも含めポワティエを中心にフランスの南西部をそっくり持っており、ノルマン朝からの北フランスの領土も加えると、パリを中心としたフランス王国の領土の3倍を保有していました。

イギリス人はボルドーの赤ワインの愛称をクラレットとしていますが、長い歴史の中でボルドー地方がイングランドの領土だったことがあったのです。

後に、フランス王位継承権を巡って英仏100年戦争(1339年~1453年)を起こしたイギリスの代表はこのプランタジネット朝のエドワード3世でした。 フランスは1328年にカペー朝がフィリップ4世の死去によって断絶しました。 フィリップ4世の親戚筋のフィリップ6世がヴァロア朝を立てましたが、プランタジネット朝のエドワード3世のお母さんがフィリップ4世の娘だったことから、継承権を巡って争いになりました。

14世紀はフランスが劣勢でした。 ブルゴーニュ公がイギリスと同盟するなどフランスは内乱状態でした。15世紀に入って農民の美少女ジャンヌ・ダルクが登場します。 オルレアンで包囲されていた当時のヴァロア朝フランス王国(ヴァロア朝)のシャルル7世を救出するとフランスの反撃勝利の快進撃が続き、ドーバー海峡を臨むカレー以外の地からイギリスを叩き出しました。

そのときのイギリス国王はヘンリ6世でしたが、その惨敗のせいか発狂したようです。

シェークスピアの「ヘンリー6世」にも登場しますが、英国軍の常勝将軍タルボットが最後の守戦場として戦ったのがボルドーでした。 そしてタルボット将軍が最期にたてこもった砦が有名なシャトー・ラトゥールのラベルに描かれている砦です。

百年戦争の後、今度はイングランド国内の王位継承権争いでバラ戦争が起こります。

ランカスター家とヨーク家が戦い、ランカスター家のヘンリ7世が勝ちテューダー朝を成立させます。

続くヘンリ8世が離婚承認問題からカトリック教会を見限りイギリス独自の国教会を作り、彼の娘のエリザベス一世が国教会の権威並びに絶対王政を確立していきことになるのです。

「ゲーム・オブ・スローンズ」物語は七王国時代の覇権争いの形をとっていますが、いろいろな史実とエピソードが上手くちりばめられているようです。

ローマ帝国の侵入でケルト民族の一派のブリトン人が、アーサー王などの活躍でいったんは追い払ったゲルマン人一派のアングロ・サクソン人に七王国下剋上時代を許し、アングロ・サクソン人がイングランドの原形を創始したかと思えば、今度はノルマン人(彼らもアングロ・サクソン人同様ゲルマンの一派です。移動前はノルウェー、スェーデンの入り江の民・ヴァイキングと呼ばれていました)の侵攻があり、遂にノルマン朝が成立してしまいます。

このようにみると英国は常に外来人との戦いで、外来王朝が次々に覇権を取ってきたことがみてとれます。

アングロ・サクソン朝とノルマン朝は、しかし、もともと同族のゲルマン一派であったため、イギリス王室はノルマン王室になりましたが、長い年月の中でアングロ・サクソン人とノルマン人は同化していきます。上でも触れましたがアングロがイングリッシュの語源となっています。

これはこの物語を歴史的視点で分析されたある方の受け売りですがその方は、バラ戦争を争ったランカスター家とヨーク家が「ゲーム・オブ・スローンズ」のラニスター家とスターク家のモデルではないかと推測されています。

ラニスター家がスターク家に対して圧倒的に有利な点もランカスター家の勝利に終わるバラ戦争の史実に沿っています。

さらに、ラニスター家が王位につく前に王座を占めていたバラシオン(Baratheon)家のモデルはプランタジネット家、それ以前に王位にあり、ウェストロスの七王国を滅ぼしかつ統一したターガリアン家(Targarian)はノルマン朝がモデルとなっていると洞察されています。

どうですか? この方もおっしゃっていますが、確かにそういった推察をしながらこの物語を観ると興味は尽きないかもしれません。 欧米での圧倒的な人気のTVドラマの理由はそうしたところにありそうです。


# by zoompac | 2018-02-12 10:16 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

TsutayaDiscas 「ゲーム・オブ・スローンズ」_シーズン5の十話目に怒涛の展開!

f0090954_11540979.jpg遅ればせながら、シーズン5の全十話を見終わりました。

すごい展開ですね、特に十話目は、次のシーズンに対する視聴者の期待を煽るためでしょうか、目をみはるシーンがてんこ盛りでした。

メリサンドルの予言を信じるバラシオン家のスタニスが娘のシリーンを生贄にしてしまいます。彼の妻はそれを苦に自殺、生贄の効果か雪解けとなりますが、ボルトン軍との戦闘で敗れ、スタニスはブライエニーにとどめをさされてしまいます。

これでバラシオンの血筋はラニスター家のサーセイの3人の子供たちだけになりました。

そのうちの1人長女のミアセラはサーセイと彼女の兄のジェイミーとの不義の子でしたのでバラシオンの血は入っていませんでしたが、彼女は毒殺されてしまいます。 せめてもの救いはジェイミーに看取られたことでした。

そのジェイミーとの不義は認めませんでしたが、ランセルとの不義を認めたサーセイは贖罪として髪を短く切られ、一糸まとわぬ全裸で石畳の街をねり歩かされます。市民たちにものを投げられ罵倒され、サーセイは泣きながら城へ戻りました。 露出度の高さに度肝を抜かれました。

そしてジョン・スノウが裏切り者としてナイトウォッチの仲間から刺殺されてしまいます。 ホワイト・ウォーカーの脅威から防御を固めるために野人との提携に骨折りをしたばかりだったのに、野人との共闘の要となるジョン・スノウを殺すなんて・・・・。

ということで、シーズン6に突入です。


# by zoompac | 2018-02-11 11:55 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)
RELEASE INFORMATION NEW ALBUM

[通常盤]「Now On Sale!!」
TOCP-66380/¥2,548(税込)

[DVD付 初回生産限定盤]
「Now On Sale!!」
TOCP-66381/¥3,500(税込)

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